短編の面白さに目覚めた勢いで書き下ろした短編集です。
十五種類の違った職業の女の子を主人公にした短編で、
職業案内みたいなものになるといいなと思いました。体育教師、
専業主婦、女優、秘書なんかは想像で書けたけど、フラワーデザイナー、
営業部員、タイムキーパーなんかは取材したり資料を調べたり結構手間がかかりました。
デパート店員、エステティシャンなんかは自分の経験から思いついた話です。
私の本の中ではいちばんポジティブだと思います。唯一「元気が出る本です」と声を大にして言える。
あとの本は、読むと生きているのが嫌になる、みたいな本ばっかりですから(笑)。
デビューからずっと長編ばっかりを書いてきたんですけど、
ここへきて単行本二冊分の短編と、他社の雑誌二冊でまた
短編の連載をいただいて、一気に短編ばかり書くことになってしまいました。
極端なんだよなあ。
とにかく似てしまわないように、全部傑作というのは無理でも、ひどい出来というのだけはないように、
時々は「これはっ」というのを書けるようにと頑張りましたね。人の短編も勉強しようと思ってたくさん読んだし。
短編のいいところは、一回一回達成感があって、働く喜びみたいなものがあるのがいいですね。
長編だとずっとずっと長いこと苦しくて、すかーっとするのはできた時一回だけだから。
でも長編が書き上がった達成感っていうのは長持ちするし、いつまでも自信になる。
短編は書いたらすぐ忘れちゃいますからね。
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